空売りとはどのような取引なのか

空売りとは、その名の通り株式を保有していない状態で株式を売る行為のことです。実際には証券会社から借りた株式を売却する形となり、それを買い戻すことにより取引が終わる仕組みとなります。信用取引のひとつなので、通常の現物株売買とは異なる取引を行うことになります。その対象となる銘柄は貸借銘柄に指定されていることが必要です。この取引を行う目的としては、まず下落相場の中で利益を出すことが挙げられます。これから値下がりが予測される銘柄があれば、売り建てをしておくことによって安く買い戻すことになります。そしてその差額が利益として手元に残ることになるわけです。あるいは配当狙いなどによる保有株式はそのまま残して、下落相場に備えたい場合にも、リスクヘッジとして利用することになります。

空売りのためには証拠金が必要となりますが、取引はその3倍ほどの金額で行うことが可能となります。また、制度信用取引の場合には6ヶ月以内に決済をすることが必要となりますが、一般信用売りの場合であればそのよつな制限はありません。いつまでも売り建てポジションを抱えておくことができるわけです。

空売りを有効に使える場面とはどのようなものか

空売りを有効に使える場面としてまず挙げられるのは、企業の業績が悪化した場合です。これから株価の値下がりが予測されるような企業の株式は、多くの投資家が空売りすることになります。その売り注文によって株価は下がることにもなります。たとえ株式相場全体が上昇している局面であっても、そのような銘柄はさえない動きをすることになります。その動きを確認してから空売りをすると安心できます。また、公募増資などにより株数を増やす必要が生じた銘柄は、値下がりするリスクが増加します。1株あたりの利益率が低下するのが理由となります。

あるいは、企業に対しての好条件となるニュースか発表されることにより、ストップ高をつけるものがあります。時価総額が大きい銘柄であれば、ストップ高をつけることにより高値での買い付けをしてしまう投資家も増えてきます。そのために、売り圧力が強まるケースが多いことから空売りの好機となりまます。また、これまでは移動平均線を支持線として上昇を続けてきた株価が、その支持線を下回ることがあります。そのような場合、心理的な支えを失ったことにより大きく反落する可能性が高くなります。そのような場合に空売りを仕掛けることで大きく利益を得られることにもなります。

空売りのデメリットについて

空売りは証券会社から株を借りて行うものとなります。そのために貸株料と呼ばれるコストが発生します。長くポジションを抱えていると、そのコストが増大することになるのです。売方金利とも呼ばれるものですが、空売りした株数と金額、そして年利を掛け合わせることで算出されます。また、他にも逆日歩と呼ばれるコストが発生することもあります。これは空売り注文が増えた場合に、証券会社が保有する株式が不足する時に発生します。他の金融機関から必要となる株を借りることになるので、その金利が必要となります。そのために支払うことになるわけです。

特に相場の急落時に大量の空売り注文が出るような局面では、貸し出すための株を大量に必要とするので、この逆日歩も高くなります。また、空売りを行うと相場上昇というリスクにさらされることになります。そしてそのリスクは値下がりよりも大きなものとなるのが通例です。と言うのも、値下がりの場合は最悪株価が0となるまでのことで損失は限定されます。けれども値上がりの場合には文字通り天井はありません。また、そのような局面では空売りの買い戻しのための注文も増加するので、さらに株価は大きく値を上げることになります。

空売り規制について知っておきたいこと

空売りは時に相場を急落させる効力を持ちます。相場に参加する投資家は、株価の下落には過剰に反応することになります。時にパニック状態に陥ることにもなり、それは経済にも悪影響を与えることにつながります。そこで相場の下落局面においては、空売りに規制がかかることがあります。これは直近の株価よりも下の価格で空売り注文を出すことができないというものです。つまり、株価が下げ続けている間は空売りはできないことになるわけです。直近の株価よりも高い金額で注文を出しておけば、一旦上昇した時に約定することはあります。

けれども下落の勢いが強い場合には、新規の空売りができないことを知っておくことが必要というわけです。銘柄によってトリガー値段が設定されているのですが、日中の取引においてこのトリガー値段以下で取引が成立した時点で規制がかかることになります。空売りで積極的に利益を確保しようという場合には、そのタイミングに注意することが必要となります。相場の動きに合わせた順張り投資を行う場合には、この規制に引っ掛かる可能性が高いことになります。逆に株価が高い時に逆張りで空売りを行う投資スタイルであれば、そのような規制は関係無いものとなります。

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